日本と海外の文化・マナーの違い
西手 夕香里(通訳・翻訳修士)
# ことばのおもてなし
# Hospitality of words
# Vol.19
今回は、How to introduce yourself in a way that’ll make people care who you are.(初対面でデキル印象を持たれる自己紹介)がテーマです。“ XX( 名前), tell us a little bit about yourself.”(自己紹介をしてください)と振られてまとまった自己紹介をする場合もあれば、名刺交換とともに数秒で自己紹介をする場合もあります。いずれにせよ、初対面で自分を印象付けるような自己紹介にはコツがあります。
英語で自己紹介をするときは、“ Hi, my name is XX and I am the Site Manager of this plant. ( 工場長のXXと申します)”という、名前と職位だけを述べるパターンになりがちですが、“ I am responsible for managing all production related operations, as well as regulatory compliance and staff development. ( 製造関連全般、コンプライアンス、スタッフ教育の責任者です)” など、名刺に書いてある情報以上のことを伝えることで、自分を印象付けることができます。
一度に何人も自己紹介をすると、聞いているほうは繰り返しの情報に飽きてきて、一人ひとりの印象が徐々に薄れていきます。聞いている相手が興味を持ちそうな情報( attentiongetter)を提供することで、名前や職位は忘れても個人として インパクトを残すことができます。
ユーモアたっぷりの自己紹介を好む文化、プロフェッショナルな雰囲気を好む文化、Tシャツにジーンズのカジュアルな文化…… audience(聴衆)の空気を読み、その場に合わせた自己紹介をすることで、彼らの懐にすっと入ることができます。また、初対面の人ばかりが出会った場でicebreaker[( 初対面の人たちがいる場などの)緊張を解きほぐすもの]とばかりにジョークを連発しても、場の空気は冷めてしまいます。Bottom line: if you’re unsure about the group , consider leaving the funny story out.(要するに、その場の空気感がわからなければ、ジョークは控えめに。)
Communicate your contribution.Tell everyone clearly why you’re there. Then give them some way to remember you.And finally, be sensitive to cultural nuance.
( 自分の役割、自分がこの場にいる理由を述べる。自分のことを覚えてもらえるようなインパクトを与える。最後に、文化的なニュアンスに配慮する。)
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Profile
西手 夕香里 Yukari Nishide
通訳・翻訳修士
日米企業の社内通訳として11年間の経験を積んだのちに独立。フリーランスとして規制当局によるGxP 査察を中心に医薬品分野の通訳に関わる。2016 年にシミックグループに入社。現在、多数のプロジェクトで通訳・翻訳者として活躍中。