HIRAKU’s VIEWPOINT コラム vol.29
言葉を封じるということ : 「多様性」のゆくえ
Hiraku(中村キース・ヘリング美術館ディレクター)
# HIRAKU’s VIEWPOINT
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# Vol.30
2025年7月26日、京都大学大学院総合生存学館(GSAIS)にて、シミックホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 COOの大石圭子氏による特別講義が開催されました。テーマは、「Gap(ギャップ)を認識し、どう乗り越えるか」。このセッションには、私と中村健人氏(シミックホールディングス株式会社COOオフィス)もゲストスピーカーとして登壇し、それぞれの人生におけるギャップ体験を共有しました。
後半は、参加した京都大学の学生たちが自身のこれまでの人生を3つの章に分け、それぞれのフェーズで経験してきた「ギャップ」について振り返るワークに取り組みました。
このワークショップでは、各グループが「どの分野で、どのようなギャップが生じているか「」それをどう認識し、どう向き合い、どのように埋めていくか」についてディスカッションを行い、それぞれの考察を発表する形式で進められました。
個人的な経験だけでなく、社会的な構造や文化的背景にも目を向けた対話が生まれ、多様な視点が交差する学びの場となっていました。
当日は留学生の参加も多く、日本語と英語が自然に混ざる国際的な雰囲気の中で、想像以上に深い議論が展開されていたように思います。予定されていた4時間のセッションはあっという間に過ぎ、終了後も多くの学生が大石氏のもとへ集まり、キャリアや人生観について相談をする姿が印象的でした。
私自身にとっても、普段の業務とは異なる文脈の中で、自分の経験を「語る」という行為からもですが、ほかのお話を聞きながらあらためて見つめ直す機会となりました。多様な立場・視点を持つ3人の登壇者によるセッションが、少しでも学生たちの「未来の自分」を考えるヒントになってくれればと思います。
PROFILE
Hiraku
ニューヨーク育ち。2014 年まで米国人コスチュームデザイナー・スタイリスト、パトリシア・フィールドの元でクリエイティブ・ディレクターを務め、ナイトライフ・パーソナリティーやモデルとしても活動。現在では中村キース・ヘリング美術館でプログラム&マーケティングディレクターとして、自身が人種・性的マイノリティーとして米国で送った人生経験を生かし、LGBTQ の可視化や権利獲得活動に積極的に取り組んでいる。
https://www.nakamura-haring.com/
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